3-063の正体

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2021. 8. 8

Ver. 2. 0

様式変更

2020. 8.10

Ver. 1. 0

公開初版


1 はじめに
 3-063というトランジスタがあります。Hewlett Packardのミリボルトメータ3400Aの電源部に使用されていました。長い間、定格が判らなかったのですが、ひょんなことから判明しました。

2 3-063の定格
 最初に結論を示すと次のようになります。

3-063  MJ2268  Motorola
1988年第46週のメキシコ製です。製造年によって若干定格が異なるようです。
型名
Type
社名
Mnf.
用途
Application
構造
Material
&
Structure
最大定格 Maximum Ratings (TC=25℃) 電気的特性 Electric Characteristics (TC=25℃) 外形
Package
No.
VCBO
(V)
VCEO
(V)
VEBO
(V)
IC
(A)
PC
(W)
Tj
(℃)
ICEO最大値 直流又はパルスhFE バイアス fT
(MHz)
Cob
(pF)
rbb(Ω)*
CCrbb'
(pS)
(mA) VCE
(V)
最小/標準/最大
min/typ/max
VCE
(V)
IC
(mA)
VCB
(V)
IE
(A)
3-063(1974) Motorola PA. Si. -55 -55 -5.0 5A 150 200 5.0 -60 20/ /100 -2 4A -10 0.5 3.0/ / TO-3


3 解説
 1960年代後半から1970年代前半にかけて、Hewlett Packardは自社製造の計測器向け保守資材を効率的に調達するため、部品ごとに番号を割り振りました。
 1853-XXXXPNPトランジスタ、1854-XXXXNPNトランジスタであり、XXXXの部分には追い番号が割り振られていました。そして、この番号が185
3-0063のトランジスタにはMotorolaが登録され、現品には番号の一部を省略して赤文字部分のみを表記しました。

 Hewlett Packardの他の計測器で1853-0063に割り当てられているトランジスタは、Motorola製のMJ2268であることから、3-063は同等品と考えられます。
 ちなみに、
仕様書番号:28480-A-1853-0063-1(28480Hewlett Packardを示す番号、1853-0063は部品番号)には、MJ2268の定格が記載されています。また、NATO軍の部品番号、NATO Stock NumberNSN5961-00-867-9319と部品番号のMPN1853-0063とは同一品です。5961-00-867-9319の仕様からみてもMJ2268でよいようです。


4 おわりに
 定格が判明したからといって、すぐに役立つ事は無いのですが、すっきりしました。

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