PC-9821用3.5インチFDD補足情報
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2015.12.31 Ver. 1. 4 カウンタ再開
2010.11. 8 Ver. 1. 3 カウンタ廃止
2004. 2.12 Ver. 1. 2 リンク追加
2003.10.27 Ver. 1. 1 ケーブルの逆挿しをしたときのウィンドウの例を追加
2003.10.14 Ver. 1. 0 初版公開

FDD用DILソケットのpin番号について 
 HDDやFDDによく使用されているコネクターは、フラットケーブル用のDIL(Dual_In_Line)コネクターです。 このコネクタの本来のpin番号割付は、ガイドキー(誤差込を防止するための突起)を上にして、HDDなど機器側のPIN_VIEW(差込面のpinを見て)で右上が1番pin、そこから順に左へ3,5,7,・・・、右下が2番pin、そこから左へ4,6,8,・・・となります。そして、40pinコネクタであれば、左上が39pin、左下が40pinとなります。以下、このようなpin割付を「
正規割付」と呼ぶことにします。コネクタをよく見るとどこかに白い△印や凹凸があり、それに最も近いpinが1番pinであることを示しています。例えば、PC-9821シリーズのマザーボード側、HDD、26pin端子FDDなどに使われている機器側コネクタは、全て右上を1番pinとする正規割付としています。 
 しかし、
例外的に34pinのFDDでは、PC-9821用もPC/AT互換機用も、ガイドキーを上にして左下を1番pin、そこから右へ3,5,7,・・・・,33番pin、左上を2番pin、そこから右へ2,4,6,・・・,34番pinとしています。以下、このようなpin割付をここでは、「逆割付」と呼ぶことにします。 

ストレートケーブルと反転ケーブルについて 
 E-IDEタイプHDD用40pinフラットケーブルでは、一方のコネクタの1pinは他方のコネクタの同じ位置にある1pinに接続されています。以下、2pinは他方の同じく2pin、3pinは他方の同じく3pin、・・・・・、40pinは他方の同じく40pinに接続されています。このように両端のコネクタの同一PINが相互に接続されているケーブルを
ストレートケーブルと呼びます。
 一方、Xa7以降のPC-9821シリーズのデスクトップ機およびミニタワー機では、FDDとマザーボードを結ぶフラットケーブルはPC/AT互換機用のものとは異なり、両端のコネクタのpin接続が反転しています。
 すなわち、Xa7以降のPC-9821シリーズ本体に使用されているFDD用フラットケーブルでは、一方のコネクタの1pinが他方のコネクタの34pin、2pinが33pinに、・・・・34pinが1pinに接続されています。(以下、このようなケーブルを
反転ケーブルと呼ぶことにします。)
 ストレートケーブルと反転ケーブルの実際についてはこちらをどうぞ。
 以上から判るように、PC/AT互換機用のFDD用フラットケーブルは、ストレート部分であってもPC-9821Xa7以降には原則として使用できません。

PC-9821Xa7におけるFDDケーブル接続の原則
 PC-9821Xa7以降のデスクトップ機やミニタワー機では、M/BとFDDを接続するにあたって、下記の原則を守る必要があります。
 (1) 反転ケーブルを使用する。
 (2) FDDへの接続では、ケーブルのコネクタの突起部分は、必ず上にして差し込む。
 (3) FDDはPC-9821シリーズ用を使用する。
 少なくとも、私が
これまで見てきたPC-9821Xa7〜Xa13、V12〜16等では、全て反転ケーブルが使用されていま
た。
 さて、PC-9821シリーズのうち、Xa7,9,10,12などでは、FDD接続用反転ケーブルは短いので、180度捻って取付けることは、まずできません。しかし、ミニタワータイプやマザーボード側コネクタがフロントパネルに対して直角に配置されているXa200,RaII23,Ra266,V166S等のデスクトップ機では、ケーブルを180°捻って接続できてしまいます。
 特に、ミニタワータイプにCITIZEN製の34pinタイプ3MODE_FDDであるOSD型を使用するときは要注意です。OSD型FDDのプリント基板にはDILコネクタ用ガイドキーの切欠きがあり、ここにコネクタの突起を下にして差し込めと言わんばかりとなっています。このため、DILコネクタを天地逆に差し込んでしまうのです。PC-9821シリーズ用FDDでは、このガイドキー用切欠きは無視し、あくまでもケーブルのDILコネクタの突起部分が上になるよう差し込みます。


間違えるとどうなるか

  さて、PC-9821シリーズでは、FDDの事故例が多数報告されています。原因はつぎのようなものが考えられます。
 (1) 本来の反転ケーブルの代わりに市販のPC/AT互換機用を使用した。
 (2) FDDを増設しようとして、自作のストレートケーブルを使用した。
 (3) FDDに本来のケーブルを接続する際、コネクタを天地逆に接続してしまう。
     (「逆挿し」状態です。)
 これらの間違いをするとWindows上では、FDDのドライブアイコンが4個表示され正常動作しません。実際に間違えた状態にしたときの例を下記に示します。マイコンピュータを開くと3.5インチと5インチのFDDアイコンが2つずつ計4つ表示されます。
3.5インチと5インチのFDDアイコンが2つずつ計4つ表示されています。
 このように表示される理由は下記のとおりです。
 まず、正常時は、電源投入直後にマザーボード側からFDDのSTEP端子(34PINタイプのFDDの20PIN)にステップパルスを一定数送り続けます。そして、FDDが接続されていれば、FDDのヘッドが移動し、トラックの0位置に来ます。
 このとき、TRACK00端子(34PINタイプのFDDの26PIN)がLレベルとなることを利用し、マザーボード側にFDDが存在することを伝えます。 もし、FDDが接続されていなければ、TRACK00端子はマザーボード側から見てハイインピーダンスのままなので、FDD接続無しと判定します。
 つぎに、正当なフラットケーブルを捻って接続したり、PC/AT互換機用ケーブルで接続したりすると、FDDのドライブセレクト端子(6,10,12,14PIN)がマザーボード側で全て接地され、FDDにとっては常時選択された状態となります。
 そして、FDDが動作していることを検知するマザーボード側26PINは、FDD側の9PINで接地されているため、マザーボード側ではどのドライブを選択しても常にLレベルとなり、ドライブが存在するように見えます。
 この結果、ドライブアイコンが4個表示されます。
 なお、4個のドライブアイコンは3.5インチ、5インチが2個ずつとなります。(PC-9821Xa7以降では、実際のドライブがなんであれ、1, 2台めは3.5インチドライブ、3, 4台めは5インチドライブとして表示されます。)
 ケーブルの逆差しをした場合、壊れにくいのはNEC製FD1231T(P/N134-506790-011-0)で、壊れやすいのはSONY製MPF520-F(P/N4-630-222-01)です。
 これは、FD1231Tの場合はその端子と内部ICの間に抵抗器があり、誤接続の際に電流が制限されるのに対し、MPF520-Fの場合は端子と内部ICとが直結されていて電流が制限されにくいことによります。

2MODE_FDDを3MODE機に使用するとどうなるか
 FD1138Dなどの2MODE-FDDをPC-9821Xa7以降の3MODE機に使うと、FDDが1台だけであれば、2MODEのFDDとして一見使用可能のようです。
 しかし、FDDを内蔵で増設して2台で使用する場合は、いろいろな不具合が出ます。これは、同じ34pinFDDでも信号線の定義が異なるからです。
 一例を挙げると、2MODE-FDDであるFD1138Dの1pinはFDD内で接地されているため、常にLレベルとなっています。
 また、3MODE-FDDであるFD1231T/MPF520Fの1pinは1.44MB/1.25MB/720KB/640KBのモード切り替え用でHまたはLレベルの信号が入力されます。
 そして、Xa7以降のマザーボードの1pinは、1台目FDD用のモード切り替え信号(HまたはLレベル)を出力します。
 その外にも電気的な互換性がない部分がいくつも有ります。
ということで、破損防止という意味から2MODE-FDDをPC-9821Xa7以降の3MODE機で使用することは避けた方が良いでしょう。

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