3400Aの整備
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2020. 8.10 Ver. 1. 1 3-063の定格が判明しました。
2015. 7.20 Ver. 1. 0 公開初版

1 はじめに
 Hewlett Packard製の実効値指示交流電圧計3400A(S/N:2415A〜)を分解し、整備しました。3400Aの内部は製造時期によって異なります。本機は後期の1989年8月10日製造です。
2 内部の状況
 右画像はリアパネルです。画像の天地は逆です。3P電源ソケット、ヒューズホルダ、直流出力ジャック、電源電圧切り替えスイッチが配置されています。
 左斜め下はトップカバーをはずした状態です。電源回路のコンデンサ類が見えます。    
 下画像の右半分は本機の心臓部ともいえる熱電対変換部です。左側のアルミニウム板のU字型切欠きのところに真空管があるのが、旧型です。この機体は後期型なのでFET化されています。  左斜め下画像はトップカバーを外したところです。電源トランスは一般的なEIコア形です。    
 右画像はフロントパネルです。電源スイッチを投入すると、ネオン管式パイロットランプがオレンジ色に点灯します。  上画像は右側側板を外したところです。電源トランスを固定するためのアルミニウム板で覆われています。  上画像は底板及びシールド板を外したところです。中央が入力アッテネータ部です。  上画像は底板のみを外したところです。
 左の画像はアッテネータ部です。ロータリースイッチのウエハーはタイト製とベークライト製です。
 ウエハーのスイッチ接点部は接点復活剤を綿棒に浸み込ませ、丁寧に酸化物を拭き取りました。
 入力のアッテネータ部はテフロンと思われる白い絶縁端子の上に設置されています。
 上記画像の反対側です。高精度の固定抵抗器が実装されています。
 ロータリースイッチのウエハー固定ナットが緩んでいたので増し締めしました。
 電源用としてMOTOROLA製のPNPタイプパワートランジスタである2N58763-063を使用しています。わざわざ高価なPNPタイプを2本使用していますが、理由は不明です。3-063は規格が不明です。 3-063の定格はこちらです。
 熱電対からの微小直流電圧を増幅するチョッパー増幅器です。青い多回転半固定抵抗器が2個ありますが、左がオフセット調整用です。
 問題点です。バッファ増幅器のプリント基板は茶色のスポンジで支えられ、両端がプラスチックのホルダーに固定されています。このスポンジが加水分解を起こし、一部粘液状となっています。早急に新しいスポンジに交換予定です。

3 おわりに

 たいした整備もせずに正常動作となりました。作りのよさとサービスマニュアルが公開されていることで、修繕は容易です。正規の校正は無理ですが、他の機器と同じ数値を表示していたのでそれでよしとします。

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