1 はじめに PC-9821シリーズを使用する際、割り込み要求が競合して増設ボードが動作しない場合がままあります。Windows98SEの場合について、最も問題が少ないと思われるIRQの設定例を下記に示します。 2 IRQについて PC-9821に接続されている、ハードディスクコントローラ、フロッピーディスクコントローラ、シリアルポート、パラレルポート、キーボード、PCIスロットに接続されたボード類で処理すべき仕事が発生した際、その処理をCPUに要求するため、「IRQ信号」を使用して、CPUに知らせるようになっています。IRQは、Interrupt Request(割り込み要求)の略であり、ハード的には15通りが用意されており、原則として、1つのIRQは1つのハードウェアが使用することになっています。どのPCにもあるキーボードやシステムタイマーなどには、専用のIRQが既に割り当てられており、ユーザーが使用できるIRQはほんの僅かしかありません。このため、周辺機器を増設しても、動作しない場合が生じます。 PC-9821シリーズでは、ユーザーが使用できるIRQをINT(Interruptの省略形)と呼んでいます。 以上をまとめると下表のようになります。表で、緑文字の部分が現実的にユーザーが使用できるIRQとなります。
IRQの使用状況を見るには、Windows95/98/98SEの場合は、スタート → 設定 → コントロールパネル → システム → デバイスマネージャ → プロパティの順にウィンドウを開きます。下記は拙宅のPC-9821Ra266の例です。
4 IRQの割当例 IRQの割当は、ユーザー毎に異なります。私は、音源は使用していませんので、これをストレージ系に使用しています。 このような使用方法の場合、避けて通れないのが、PCカードスロット増設アダプタのIRQ問題です。PCカードスロット増設アダプタ自身とこれに差し込んで使用するPCカードの両方がIRQを使用することと、そのPCカードが取ることのできるIRQが限定されていることから、上手にIRQの設定をしないと、PCカードが認識されているのに、動作しない状態となります。 上記の例は、PCカードが1枚は動作する設定です。 なお、IRQが競合する場合もありますが、PCIデバイスはIRQのシェアリング(共有)が可能で、同じ番号のIRQに複数のデバイスを割り付けることが可能です。 [PC-9821/9801設定関係トップページに戻る] [トップページに戻る] |