NASに関するQ&A
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2010.11. 8 Ver. 2. 0 カウンタ廃止
2009. 7.21 Ver. 1. 1 NAS関係に分離
2007. 8.19 Ver. 1. 0 公開初版

1 はじめに
 初めてNASを使用して以降、いくつかの発見がありました。多少の参考となるよう、まとめてみました。

2 NASの購入上の注意点
 NASはネットワーク直結型の記憶装置で、ネットワーク上の各PCからドライブとして利用することができます。データを共有することができ、大変便利です。NASには重要なデータを記録することと多数のPCから同時にアクセスされることがあるため、入門機以外はHDDを2台以上内蔵し、同じデータを2台のHDDに記録してデータ保全信頼性を高めたり、4台のHDDにデータを分散記録して高速動作と高いデータ保全信頼性を両立したものもあります。
 このようなNASを実現するのに、
@Linuxなどにより専用に作成したOSを用いたもの
APCにWindowsベースのOSを用いたもの
があります。@はOSがフラッシュROMに記録されており、一部機種を除き、自分でOSそのものを弄ることはできないため、自由度が低いのですが、その分安定して動作します。また、中古で入手したときにOSが消去されているということがないため、安心です。一方、Aは高信頼のPCにOSを組み込んだ形式であり、中古入手の際、OSが消されていることもあります。付属のOSが無い場合は購入しないほうがよいでしょう。

3 NAS使用上の疑問
 さて、NASに内蔵された2台のHDDに同じ内容を書き込むことによって、データ保全の信頼度向上を図ることが行われています。いわゆる、ミラーリング、RAID1と呼ばれる方式です。2台のHDDの一方のデータが失われても他方のデータを元に復旧させることができる仕組みです。この概念は周辺機器メーカーのカタログにも図解されており、ご存じの方も多いと思います。
 ここで、RAID1構成でデータが失われたとき、実際にどうなるのかを示した情報はあまり眼にしません。そこで、実際に体験した内容を下記にQ&A方式で示します。なお、NASの構成方法はいくつかあり、全てのNASで以下のような挙動をするとは限りません。以下は、QNAP/iEi/Princeton社のNASで経験したものです。

Q1:200GB×2台でミラーリング使用していましたが、一方のHDDが破損したようで、アラームが鳴動しています。交換して新たに取り付けるHDDとして、手持ちには160Gしかありません。記録しているデータ自体は90GBなので、新しいHDDに収まり、取り敢えずは使用できると思いますが、どうでしょうか?
A1:不良HDDの代わりに取り付けるHDDは、元の設定容量以上の容量のHDDが必要です。容量が不足している場合は、アラームが鳴動します。

Q2:200GBのHDDを買ってきましたが、元のHDDは201.23GBで新しいHDDは200.01GBでした。元の容量より、新しいほうが少ないのですが、使えるでしょうか?
A2:同じ200GBのHDDであっても、HDDの容量はメーカーごとに微妙に異なります。同じ200GBクラスのものであれば、多少少ない容量であっても使用可能であるようです。ただし、元の容量の何%まで少なくても使用できるかというと不明です。

Q3:故障したHDDの代わりに、新しいHDDを取り付けます。このHDDに対して事前に領域確保やフォーマットは必要ないのでしょうか?
A3:そのまま取り付ければ、OKです。HDDのマスター、スレーブを間違えないようにするだけで良いです。(Western Digital製はSingle設定にも注意します。)取り付けて電源を再投入すれば、新しく取り付けたHDDを検出し、領域確保、フォーマット、データのミラーリング再構成を行ってくれます。

Q4:故障したHDDの代わりに、同一容量の中古HDDを取り付けたいと考えています。中古HDDには不要データが書き込まれています。使用に際して、中古HDDの領域開放やフォーマットはどのようにすれば良いのでしょうか?
A4:そのまま、取り付けて構いません。NASが自動的に処理してくれます。

Q5:新しいHDDに交換し、データのミラーリング再構成が始まりました。進捗状況が30%などと表示されています。まだ、完了していませんが、これから外出するため、NASの電源を切りたいと思います。そもそも、切っても良いものなのでしょうか?
A5:NASの電源スイッチ、フロントパネルの操作ボタン、ブラウザ経由での電源オフ操作のいずれかを使用して電源をオフにします。間違ってもプラグを抜くようなことをしてはいけません。再構成進捗状況が100%以下で電源を切った場合は、電源再投入後、最初から再構成をやり直します。したがって、長時間掛かっても一度は100%完了させておくべきです。一旦完了すれば、電源を切っても、ミラーリング状態は保持されます。

Q6:NAS2000で使用していたHDD2台を別のNASに取り付けたところ、新たに共有フォルダーが確保できません。
A6:これは、NAS2000で使用していたときの領域が開放されていないためです。メニューから領域開放とすればよいです。

Q7:これまで、120GBのHDDを2台使用して、RAID1(ミラーリング)でデータ保存しています。データが100GBを越えて、残り容量が少なくなってきました。そこで、まず現行の1台を外して250GBのHDDを取り付け、120GB+250GBとして、データの再構成を図ります。こうすることにより、同じデータが2台のHDD(120GB,250GB)に記録されます。そして、次に残りの120GBを外して250GBのHDDを取り付け、250GB+250GBとして、データの再構成を図ります。このようにすることにより、物理的に250GBのHDDを2台搭載し、同じデータが2台のHDDに書き込まれます。以上の手順により、残り容量を120GB以上に増やせないでしょうか?
A7:いくら、容量の大きなHDDを用意しても、120GBから増えることはありません。いつまでたっても最初の120GBのままです。これは、本体のフラッシュメモリに2台のHDDの設定情報が記録されているためのようです。

Q8:大変重要なデータのため、ミラーリングだけでは心配です。そこで、現行の正常な一方のHDDを1台外し、新しいHDDを取り付けてデータの再構成をしました。次に、もう一方の正常なHDDを外したのち、新しいHDDを取り付けてデータの再構成をしました。このようにすることにより、ミラーリングしたHDDのセットが2組できあがりました。そして、このうちの1組を別保管することにしました。何か問題があるでしょうか?
A8:残念ながら、後日別保管のHDDを元の本体に取り付けても、正常に読み出せない場合が生じます。これは、2台のHDDのFATも本体のフラッシュメモリに記録されていますので、NAS搭載のHDDに何か記録すると、別保管のHDDとは内容が異なってしまいまい、新のFATで旧のFATで記録されたファイルを読み書きすることになるからです。
 NASの方式によっては、内蔵の各HDDの管理情報(確保した容量やRAID0、RAID1、JBODのどの方式でHDDが使用されているかなど)を本体側のフラッシュRAMに記憶しているため、HDDとRAMの組み合わせが揃って初めてデータを読み書きできます。このことを知らずに、NASに重要データを書き込んだのち、HDDを別保存し、NAS本体は売却した方がいましたが、データを取り出すことができなくなってしまいました。注意が必要です。

Q9:NASの電源が入らず、内容が外部から読めなくなりました。HDDを外して普通のPCに接続して読もうと思いますが、どうすればよいでしょうか?
A9:HDDの記録様式はLINUXベースである場合が多いです。このような場合は、ミラーリング保存したNAS内の2台のHDDの内容は同じ記録内容ですが、それを別のPCに接続して、DOSやWindowsから読もうとしても読めません。

4 特記事項
 以上は、特定メーカーのNASの挙動であり、他のNASで同様のことが起こるとは限りません。くれぐれもご注意下さい。

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