FC-757
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2023. 9. 3 Ver. 1. 1 FC-757Aの情報等追記
2015. 9.23 Ver. 1. 0 公開初版

1 はじめに
 KENWOOD製のユニバーサルカウンタFC-757を超格安で入手しました。わずか三桁の価格です。早速、通電して機能確認したところ、正常動作でした。元々台湾製の測定器であり、KENWOODがOEMで販売していたものです。日本語の仕様が見つからないので、英文を元にまとめてみました。後継品で内蔵基準発振器精度と最大許容入力電圧が異なるFC-757Aもあります。


2 仕様
 自分で訳しましたので、誤訳があると思います。数字自体は原文のとおりです。FC-757Aのデータも併記しました。
概要  FC-757は、周波数・周期・周期平均・時間間隔・周波数比・加算の各測定機能を持つ175MHzユニバーサル・カウンタです。LEDディスプレイは8桁表示を採用、表示分解能はMHzレンジの時は1Hz単位、kHzレンジの時は0.1Hz単位となっています。
 周期測定では、5Hz〜2MHzの範囲で1サイクルに必要な周期(μsecまたはmsec単位)を測定します。低い周波数においては、周波数測定よりも周期測定の方が精度が向上します。
 周波数比の測定は、2つの信号の周波数(例えば、デジタル回路におけるクロックパルスとの対比のようなもの)を比較し、その比を求めるのに使用します。
 時間間隔の測定は、入力波形の2点間の経過時間(μsecまたはmsec単位)を測定するもので、デューティ比などの測定に使用できます。
 加算測定では、事象回数のカウントができます。このカウント動作にはゲートの設定が可能であり、手動とより高精度の電子制御も可能です。
 表示部には赤色LEDを採用、自動小数点位置設定、先行ゼロブランキング、さらに測定単位、オーバーレンジ、ゲートなどもLED表示されます。
 内蔵水晶発振器は10MHzの高安定なものを使用し、温度や電源電圧の変動に対して極めて高い安定度を実現しています。
特徴 (1) 豊富な測定項目
 周波数や周期だけでなく2つの信号の時間間隔や周波数比または加算計数の各測定機能を備えています。

(2) ローパス・フィルタ装備
 10kHzで−3dBのローパスフィルタを装備して、余分な高周波ノイズを低減し、ミスカウントを最小限に制御します。(CH Aのみ)

(3) アッテネータ装備
 20dBのアッテネータを装備していますので、過大振幅に対してミスカウントを軽減します。

(4) データ・ホールド可能
 測定を一時停止し測定値を固定表示する機能です。

(5) 加算計数測定機能
 前面パネルからのマニュアル操作だけでなく、外部からスタート/ストップが可能です。

(6) 4段階のゲート時間と自動小数点位置決定
 ゲート時間と測定値の小数点が連動し、必要な分解能の測定ができます。

(7) 先行ゼロブランキング表示
 有効数値表示より上位桁の0を表示しません。

(8) オーバーレンジ表示
 表示桁を越えたときに点灯し、ミスカウントを防止します。

(9) チルトスタンド兼キャリングハンドル
 キャリングハンドルがそのままチルトスタンドになり、見やすい角度に設定できます。

(10) 外部基準周波数入力端子装備
 さらに高精度な測定が必要な場合、より高精度な外部からの基準周波数を使用して基準時間精度を向上することができます。
定格 FC-757の定格
周波数測定(ch A)
測定範囲/単位 kHzモード: 5Hz〜10MHz/kHz   MHzモード: 5Hz〜175MHz/kHz
確度 ±基準時間確度±1カウント
ゲート時間 kHzモード:0.01sec、0.1sec、1sec、10sec MHzモード:0.02sec、0.2sec、2sec、20sec
周期測定(A)
測定範囲 0.5 μs〜200ms(5Hz〜2MHz)
確度 ±1カウント±基準時間確度±トリガエラー
分解能 100psec〜100nsec
単位 msec、μsec
最小パルス幅 250nsec
倍率 ×1、×10、×100、×1000
波数比測定(ch A/ch B)
測定範囲 ch A : 5Hz〜10MHz
ch B : 5Hz〜2MHz
分母倍数 N : ×1、×10、×100、×1000
確度 ±(Freq B/(Freq A ×N))±トリガエラー
時間間隔測定(ch A to ch B)
測定範囲 0.5 μs〜200ms(5Hz〜2MHz)
分解能 100psec〜100nsec
確度 ± 1カウント ± 基準時間精度 ± トリガエラー ± N
最小パルス幅 250nsec

単位

msec、μsec
倍率 ×1、×10、×100、×1000
単発現象 リセットにより待機状態
加算計数測定(A)
計数容量 0〜99,999,999
測定範囲 5Hz〜10MHz
制御 フロントパネルからリセット/ホールドが 可能。リアパネルのスタート/ストップがLOWの時を除き常時ON
入力特性(ch A)
周波数帯域幅 5Hz〜175MHz AC結合
感度(正弦波) kHz Freq. 20mVrms:(5Hz〜10MHz)
MHz Freq. 50mVrms:(5MHz〜125MHz)
100mVrms :(125MHz〜150MHz)
150mVrms:(150MHz〜175MHz)
入力インピーダンス 1.2M Ω、40pF以下(FC-757)
1MΩ、40pF以下(FC-757A)
最大入力電圧 250Vrms(5Hz〜60Hz)
アッテネータ ×1(1/1)、×10(1/10)
ローパスフィルタ 10kHz、−3dB
スロープ/トリガレベル プリセットまたは可変 約 ±1V
入力特性(ch B)
周波数帯域幅

5Hz〜2MHz AC結合

感度(正弦波) 30mVrms
入力インピーダンス 1.2MΩ、40pF以下(FC-757)
1MΩ、40pF以下(FC-757A)
許容最大入力電圧 125Vrms(5Hz〜60Hz)(FC-757)
42V(DC+AC peak) (FC-757A)
アッテネータ ×1(1/1)、×10(1/10)
スロープ +、−切換
基準発振器
発振周波数(ch A、B) 10.0MHz 1 ×10−6 /23 ±5 ℃
安定度(ch A、B)  3 ×10−6 /0〜40 ℃(23 ℃を基準として)、5 ×10−7 /月 (FC-757)
1 ×10−6 /0〜40 ℃(23 ℃を基準として)、1 ×10−6 /年 (FC-757A)
基準周波数入力
周波数 10MHz
入力感度/カップリング 1.77Vrms以下/AC結合
許容最大入力電圧 10Vrms
入力インピーダンス 540Ω
表示
ディスプレイ 8桁、赤色LED(7セグメント)表示、kHz/μs、MHz/ms、GATE、OVER FLOW
機能表示 FREQ、PER、RATIO、TI(A to B)、TOTAL、CHECK
計数時間 ch A:0.01s、0.1s、1.0s、10s
ch B:1、10、100、1000
セルフチェック

表示

内部(10MHz)タイムベース信号をカウント
計数時間/分解能 0.01s、0.1s、1.0s、10s/0.1Hz〜100Hz
環境条件
保存温度・湿度範囲 -20 ℃〜60 ℃ 70%以下
動作温度・湿度範囲 0 ℃〜40 ℃ 80%以下
仕様保証温度・湿度範囲 23 ℃±5 ℃ 70%以下
電源/消費電力 AC100/120/220/230V ±10%  50/60Hz/約20VA
外形寸法(最大寸法) 240 ×64 ×190(260 ×70 ×210)mm
質量 1.8kg
付属品 取扱説明書1部、電源コード1本、交換用ヒューズ1本
適合規格
EMI EN55011(1991)Class B
EMS EC801-2(1991)8kVAD、IEC801-3(1984)3V/m、IEC801-4(1988)1kV、5/50μsec、5kHz


3 各部の状態
コメント
1  フロントパネルには、ユニバーサルカウンタとして必要最小限の操作スイッチ類が並んでいます。
2  リアパネルには、外部基準信号入力端子、制御入力端子、電源電圧切替スイッチ、ACインレット、ヒューズホルダが並んでいます。
3  上蓋を開けたところです。低価格帯のユニバーサルカウンタであるため、電磁シールドはありません。TCXOも廉価品です。
4  LED表示部分を後ろから見たところです。左手前がTCXOです。
5  本体の左側から見たところです。入力増幅器が2階建てで実装されています。
6  本体の右側です。

4 その他
 一般的な用途であれば、全く問題なく使用できます。元々安価な測定器であるため、過大な期待はしていません。本体の台形をした脚が合成ゴム製であり、完全にひび割れて劣化しています。ゴムを切り出して自作するか、汎用品を取り付けるか思案中です。

 

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