1831の整備
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2015.11.30 Ver. 1. 0 公開初版

1 はじめに
 JUNKの菊水電子工業2指針平均値指示実効値目盛交流電圧計1831を入手しました。ミリボルトメーターとしては、トップクラスであるHewlett-Packard3400Aを保有しているのですが、1831の2指針式に興味があり、入手したものです。
 さて、入手時の状態は、入力信号を入れてもCH1の指針が振れず、CH2は正常動作のようであるというものでした。早速分解し、整備しました。以下、その経緯を示します。

2 仕様
 まず、1831の仕様を示します。この機種の情報はインターネット上には見当たりません。使用している部品や同時期の類似機種を元に推定しました。多分下記で間違いないと思います。
項  目 仕  様
1 品  名 ACボルトメータ
2 型  名 1831
3 指 示 計 2指針形 2色(赤、黒)スケール 各F.S. 1mA
4 目  盛 正弦波の実効値および1mW 600Ωを基準にしたdBmの値
5 入力端子 M型レセプタクル及び接地端子 相互中心間距離19mm
6 入力抵抗 各レンジ 1MΩ
7 入力容量 各レンジ 40pF以下
8 最大入力電圧 1mV〜300mVレンジ
 交流分:実効値で150V,波高値で±200V
 直流分:±400V
1V〜300Vレンジ
 交流分:実効値で300V,波高値で±450V
 直流分:±400V
9 レ ン ジ 12レンジ
 RMS目盛のとき:1/3/10/30/100/300mVおよび1/3/10/30/100/300V
 dBm目盛のとき:-60/-50/-40/-30/-20/-10および0/10/20/30/40/50dBm
10 確  度 1kHzにおいてフルスケールの±3%
11 安定度 電源電圧の±10%変動に対してフルスケールの0.5 %以下
12 使用温度範囲 0〜50℃
13 使用湿度範囲 85%以下
14 温度係数 0.04%/℃typ
15 周波数特性 10Hz 〜 500kHz  1kHzに対して±5%

3 内部の状況
 入手した時点ではフロントパネルにシールが多数貼付されていたり、INPUT2のアース端子が折損しているなど、状態は決してよくありません。また、INPUT1は全レンジで指針が全く振れません。但し、電源投入時は指針がINPUT2側と同様の振れをするため、入力からメーターアンプまでの間に何らかのトラブルがあると予想されます。  メーターアンプは、CH1及びCH2とも同一形式のものを搭載しています。
 アッテネータ部分と電源トランスは厳重にシールドされています。

 トップカバーを外した状態です。内部は比較的きれいです。
 レンジツマミの端の小さな突起を手前に引くと、二重のレンジツマミが前後別々に動くことになります。押した状態では任意の差で同期してレンジが切り替わります。

 CH1側のM型コネクタのセンターピンへの茶色リード線(手前のピンボケ部分)が外れています。INPUT1入力の指針が振れないのは当たり前です。
 コネクタ座面とフロントパネルの間にはプリント基板が挟まれていますが、コネクタを締めすぎたためか、割れています。このときに中心導体のはんだ付けが外れたものと推定されます。
 このプリント基板は、同種の装置を製作する際、参考となる実装方法です。
 CH2側M型コネクタのセンターピンへの茶色のリード線は、正常に接続されています。
 こちら側のコネクタ座面とフロントパネルの間のプリント基板は破損していません。
 入力バッファアンプとアッテネータ部分です。なお、アッテネータ部分のシールドケースは外してあります。
 プリント基板にはガラスエポキシ基板が使用されています。また、CH1とCH2で線対称のプリント基板が使用されています。
 入力バッファアンプアンプ基板です。高級そうなピストントリマが使用されています。このようなピストントリマ(スチロールコンデンサの右)は今となっては入手困難です。
 アッテネータ部分です。右側がCH1用、左側がCH2用です。
 F級の精密抵抗器が使用されています。
 メーターアンプ部分です。CH1及びCH2とも同一形式のものを搭載しています。こちらのプリント基板は安価なベークライト製です。メーターアンプ用プリント基板は同一品であり、互いに180度回転した状態で実装されています。
 入力に1kHz、0dBの正弦波交流信号を入力し、所定の振れとなるようR12を調整しました。その後、100-500kHzの周波数特性ができるだけフラットになるよう、C6を調整しました。
 電源基板です。CH1用とCH2用のそれぞれに独立した電源が使用されています。こちらもベークライト基板です。
 今回は、最初にプリント基板上の半固定抵抗器(B5kΩ)を回して出力電圧をCH1、CH2とも25.0Vに調整しました。
 電源トランスです。厳重なシールドが施されています。左の画像はシールドの鉄板を外したところです。一部の巻線は使用されていません。海外向け用の200-230V巻線と思われます。

4 回路図
 1831
回路図を示します。実機の配線を元に作成しました。ほぼ間違ってはいないと思います。

5 おわりに
 致命的なトラブルが無かったため、簡単な修理で正常動作となりました。パネルのシールはパネルを外して水洗いし、丹念に剥がしました。サービスマニュアルが公開されていないため、修繕はそれなりに苦労します。

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