CD-RWドライブの修繕方法
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2015.12.31 Ver. 1. 6 カウンタ再開
2010.11. 8 Ver. 1. 5 カウンタ廃止
2006. 3. 5 Ver. 1. 4 情報追加、誤記訂正(SUMSUNG→SAMSUNG)、文字サイズ変更
2004. 3. 1 Ver. 1. 3 情報追加
2004. 1.14 Ver. 1. 2 様式変更、事例追加
2003. 7.21 Ver. 1. 1 レーザー部再調整追加
2003. 6.23   Ver. 1. 0 公開初版

 動作不良と明記したJUNKのCD-RWドライブを時々見かけます。FDDやCD-RWドライブなど機械的可動部分のある周辺機器は、修繕歩留まりが悪いので、最初は手を出さなかったのですが、たまたま購入したJUNKのCD-RWドライブ1台が正常復帰できたことから、何台も購入して修繕することになってしまいました。このため、ミニタワー機は全て内蔵2台+USBタイプ外付け1台の計3台ずつ装備することになりました。
 経験を積むにしたがって、最近の勝率は50%を超えるようになりました。病みつきになりそうです。

1 ご注意
 何台も購入して修繕する内にコツがつかめてきました。以下、その一部をご紹介します。ただし、元々がJUNKですから、動作しなくて当たり前です。そこのところを十分理解しつつ、読んでいただければ幸いです。

2 外観チェック
 JUNKショップで手にとって判断するわけですが、私の場合、2002年以降のもの、またはBURN_PROOFやJUST_LINKなど焼きミス防止機能のついた国産物を選びます。国産物志向とするのは、

  1. 東南アジア物は新品であってもレーザー強度の調整が不足気味の物が多く不安定であることが多かった。
  2. 修繕できてもソフトウェアが対応していないので使用できなかった。
  3. 非力なPC-9821シリーズで使うのに、焼きミス防止機能付世代の方が都合がよい。

からです。そして、

  1. ケースに変形がなく、トレーの蓋が割れていないこと。(割れたプラスチック類の修繕は意外に手間がかかります。)
  2. 電源コネクタに溶損痕が無いこと。(溶損痕がある場合は、1回も復活できませんでした。)
  3. 軽く振ってみて内部で部品が外れた大きな音がしないこと。(ディスク固定用のマグネットの音がする物が大半です。この音と外れた部品の音の区別ができないとJUNKERとはいえません。)
  4. 異臭がしないこと(ICが焼損したときの特有の臭気がするようでは、まず修繕不可です。)
  5. SAMSUNG製およびそのOEM品、NR-7800A/7900A(NEC製)は一台も修復できなかったため避ける。

などをチェックポイントとして選びます。安価であれば、同じタイプを2台購入して2台から1台を作り出すことも考えます。

3 通電チェック
 購入してきたJUNKのドライブに通電します。最初は信号ケーブルを接続しないで、単体の電源ユニットから電源ケーブルのみ接続します。これは、ドライブのインターフェース部分が焼損していて、接続したことにより、マザーボード側を破損することを防止するためです。
 まず、通電して

  1. スイッチを押してトレーが出てくるか?(スイッチが壊れている場合は、出て来ません。)
  2. 適当なCD−ROMを入れて、回転音がするか?(CD-ROMは物理的に壊れても良いようにプロバイダの無料配布分を使用します。)
  3. アクセスランプがどの程度の時間点滅しているか?(メディア認識までの時間を確認するのが目的であり、点滅しないものは諦めた方がよいでしょう。)
  4. スイッチを押して再度トレーが出てくるか?

などを調べます。正常なドライブと同等の動作をするようであれば、いよいよマザーボードに信号ケーブルで接続し検査します。なお、前記の1.でスイッチを押してトレーが出てこなくても、あきらめず、次に進みます。これはスイッチの破損が結構多いためです。

4 機能チェック
 WINDOWSを立ち上げ、マイコンピュータを右クリックして、

  1. ドライブとして認識されているか
  2. ドライブのスイッチを押してトレーが出てくるかどうか?
  3. 出て来ない場合は、ドライブアイコンを右クリックして「取り出し」を選択し、トレーが出てくるか?

を確認します。PC-9821本体のインターフェースを使用すると、ドライブとして認識されない場合があります。このような場合は、ドライブをSLAVE設定とし、MASTERのドライブを接続せず単体で接続してみます。なお、UIDE-98などのインターフェースボードに接続して確認する方が正確です。ドライブとして認識されない場合は、諦めます。

5 機能チェックの手法
 ドライブとして認識されたら、何かCD-ROMを入れて読み込んでみます。NEROに同梱のNero CD-DVD Speedにより、テストしてみると良いでしょう。ディスクのどの位置で不良が発生するかがよくわかります。これでもダメな場合は、いよいよ、ドライブの分解修繕となります。
  1.  ドライブのトップカバーを外し、メディア固定用のセンターマグネットをホルダーから外します。そして、暗いところではがきぐらいの薄い紙をレーザーピックアップ上部に被せ、ピックアップを直視できないようにしておいてからドライブに対して読み込み動作をさせます。するとピックアップが正常な場合は、紙に赤いレーザー光が届きます。届かなければ、修理は諦めた方がよいでしょう。なお、レーザー光を直接肉眼で見ると網膜を損傷します。
  2. レーザー光が出ていれば、下記の成功事例集を参考にチェックしていきます。

6 成功事例集

以下、過去の故障事例とその解決方法をご紹介します。

スイッチを押してもトレーが出てこないが、マイコンピュータでドライブを選択し「取り出し」を選択するとトレーが出てくる。
スイッチの不良、交換で良好。結構このような不良は多いようです。スイッチは故障ドライブから調達します。はんだごてで作業できることが前提です。逆にJUNKで物理的にスイッチが破損しているものを敢えて選んで修繕すると言うことも考えられます。

読み込みに時間がかかり、エラーが出る。
分解し、レンズを無水エタノールを含ませた綿棒で軽く清掃して良好。タバコのヤニ、ホコリ等で汚れたドライブはこの方法で復旧できることがあります。

読み込みに時間がかかり、ガサガサというシーク音が長時間続く。
 これは、RICOH製のRW7200Aのレーザー部です。調整ネジを少し回転させて復旧しました。調整ネジは通電しながら回してはなりません。調整ネジには電圧がかかっており、精密ドライバの金属部分で調整ネジと周囲の金属部分を短絡することになり、ドライブの永久破壊につながります。面倒でも電源を一旦落としてから回転させます。
次に大事なのは
最初のネジの位置を正確に記録しておくことです。 そして、ネジを回す際は、できるだけほんの少し回転させては正常に動くかどうかを確認します。極細マジックなどで最初の位置をマーキングし、時計の時刻を読むように3時の位置、4時の位置というように設定します。そして、位置毎のメディア読み取り状態を記録し、最も良好な位置で固定します。
CD-ROM、CD-R、CD-RWのうち、CD-RWが最もシビアですので、他の正常なドライブで作成したCD-RWを正常に読み込めるかどうかで調整していきます。
 回転角と特性の変化はドライブ機種ごとに大幅に異なります。多くの場合、
再調整角度は±30度以内です。これ以上回すことはまずありませんでした。
 NECのNR-7900Aなど一部機種には調整ネジが存在しません。このような場合は、諦めます。

CD-RWドライブを接続するとPCが起動しない。
レンズ部分の固着が原因。レンズ付近を無水アルコールで洗浄し良好。極めて珍しい事例でした。

起動すると数分間回転が不安定でCD-ROMの読み取りができない。
中心部のCD-ROM固定用マグネットが外れており、元に戻して良好。

起動すると数分間回転が不安定でガラガラ異音がし、CD-ROMの読み取りができない。
中心部のCD-ROM固定部分が汚れてCD-ROMの固定ができず、スリップしていたので、この部分を無水アルコールで洗浄して良好。

CD-ROMが一瞬回転して停止する。
読み取り機構部分へのフラットケーブルが外れかけており、戻して良好。

6 失敗事例集

 成功事例だけでは、修復率をアップすることはできません。以下、事例を紹介します。

CD-ROMメディアが一瞬回転して停止する。または、アクセス後3回程度回転して停止したままとなる。
レーザーダイオードが発光していない、またはレーザーパワーが落ちているときの現象です。諦めた方がよいでしょう。

NEC製のNR-7900Aは、調整箇所が無く、お手上げ
ピックアップレンズ廻りを清掃してもメディア認識率が向上しません。調整しようにもトリマーや調整ネジが一切見あたらないため、断念しました。今後同一形式は購入しないことにしました。

SAMSUNG製ドライブは全敗
なぜか、SAMSUNG製は、一台も修復できませんでした。同社製は調整がデリケートというか微妙というか不安定です。
また、RICOHブランドの一部ドライブ(MP7320A)はSAMSUNGのOEMであり、これも修復できませんでした。FACTORY IDが「SEC」という表示のあるドライブは避けた方がよいようです。

松下寿製ドライブは、バーンプルーフ機構がないため、修復してもメリット無し。
松下寿(MKE)製ドライブは、2002年製であってもバーンプルーフ機構がありません。修復完了したものの利用価値がありませんでした。松下寿電子工業株式会社は、パナソニック四国エレクトロニクス株式会社に社名変更しています。

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